この記事の結論

2026年4月に予告された X Money の early public access は4月には広く始まらず、6月25日に米国の Premium+ の一部から段階提供が始まりました。その経緯と現在の条件を整理します。

結論:2026年4月1日に「開始」した事実は確認できない

2026-10-26 に事実関係を修正しました

この記事は2026年4月1日の公開時、「early public access 開始」「初日の実態」「使ってわかった全機能レビュー」と題し、開始初日の状況や使ってみた感想のような内容を書いていました。しかし4月に一般向けの提供が始まったことは公式発表・報道で確認できず、当編集部は日本から X Money を使えないため実際に試してもいません。体験レビューの体裁をやめ、公式発表と報道で分かっていることの解説に作り直しました。 修正にあたり、X Money の公式サイト・公式FAQ・公式アカウントの投稿と大手報道を確認し、確かめられたことだけを残しました(出典は記事末尾)。

4月1日の時点で確かだったのは、マスク氏が3月10日に「来月、早期一般公開を始める」と予告していたこと(Decrypt)だけです。PYMNTS(6月26日)は、4月には初期のテスターが3%のキャッシュバックや6%の利回りに触れていたと報じられた、と伝えていますが、一般向けの提供は遅れました。Bloomberg は6月25日に「遅れの後、利用者を広げ始めた」と報じています。

4月から現在までの経緯

日付出来事出典
2026年3月10日マスク氏が X で「X Money early public access will launch next month(来月、早期一般公開を始める)」と投稿Decrypt
2026年4月14日エリザベス・ウォーレン上院議員がマスク氏に書簡を送り、消費者・国家安全保障・金融システムへのリスクを指摘Decrypt
2026年4月予告された「早期一般公開」は、この時点では広く始まらなかった(6月の Bloomberg は「遅れの後に利用者を広げ始めた」と報道)Bloomberg
2026年6月25日X Money 責任者の Dhruv Batura 氏が「米国の Premium+ 利用者の一部に提供し、広い公開の前に意見を集めて問題をつぶす」と投稿Bloomberg / PYMNTS
2026年7月27日@XMoney が「米国の Premium・Premium+ 加入者へ本日から順次提供(rolling out)」と投稿Digital Trends
2026年8月31日(米国時間)@XMoney が「米国アカウントの Premium・Premium+ 加入者全員が利用できるようになった」と投稿@XMoney
2026年9月2日米国のクリエイター報酬の支払いが Stripe から X Money 経由に(米国外は Stripe のまま)TechCrunch
2026年9月下旬X の有料プランが利用の条件から外れたと報じられ、公式FAQにも無料プランの利回りが載ったDoctor of Credit / 公式FAQ
2026年10月26日(当編集部の確認)公式サイトは「米国の一部の利用者に順次提供中」、公式FAQは「米国居住者に順次提供中。使えるようになったら通知する」と案内公式サイト / 公式FAQ

実際の提供開始:6月25日に Premium+ の一部、7月27日に Premium 加入者へ

PYMNTS(2026年6月26日)によると、X Money 責任者の Dhruv Batura 氏は6月25日に「本日、米国の Premium+ 利用者の一部に X Money を出す。広い公開の前に意見を集めて問題をつぶすため」と投稿しました。Bloomberg も同日、「遅れの後、マスク氏が X の決済を利用者に広げ始めた」と報じています。

同じ PYMNTS の記事は、X が公開した紹介動画の内容として、日々の支払い・貯蓄・送金のための口座、ATM 引き出し無料・海外事務手数料なしのメタル製 Visa デビットカード、家賃の支払いや電信送金・小切手の郵送、最低残高なしで利息が付くこと、パスキーでの保護、最大1,000万ドルまで FDIC 保険の対象になるキャッシュ・スイープを挙げています。

2026年7月27日、X Money 公式アカウント(@XMoney)は「𝕏 Money is rolling out to U.S. Premium and Premium+ subscribers starting today(米国の Premium・Premium+ 加入者へ本日から順次提供)」と投稿しました(Digital Trends が同日に引用)。「rolling out」は順番に広げていくという意味で、この時点で対象の加入者全員がすぐ使えるとは書かれていません。対象の加入者全員が使えるようになったと @XMoney が投稿したのは、米国時間の8月31日です。

米国時間2026年8月31日、@XMoney は「𝕏 Money is now available to all Premium and Premium+ subscribers with U.S. accounts(米国アカウントの Premium・Premium+ 加入者全員が利用できるようになった)」と投稿し、サイドバーの「Money」タブから始めるよう案内しました。これは「米国の有料プラン加入者」が対象で、X の利用者全員ではありません。その後、9月下旬に有料プランは条件から外れましたが(Doctor of Credit の9月23日の更新・公式FAQ)、公式サイトは10月26日時点でも「米国の一部の利用者に順次提供中」としています。

現在の提供状況と利用条件(2026年10月26日確認)

2026年10月26日に当編集部が確認した時点で、X Money 公式サイトは「Rolling out to select users in the United States(米国の一部の利用者に順次提供中)」、「18歳以上の米国の一部の利用者が利用できる。より多くの人へ広げるよう取り組んでいる」と案内しています。公式FAQも「米国居住者に順次提供中で、使えるようになったらアカウントに通知する」としています。つまり米国でも全員が一斉に使える状態ではなく、「全米開放」と言える公式発表は確認できません。

利用の条件(公式FAQ)は、18歳以上・米国居住・認証済みの米国の電話番号・良好な状態の X アカウント・口座開設書類への同意です。米国の金融規制に基づく本人確認のため、氏名・社会保障番号(SSN)・住所の提出も求められます。

公式FAQと金利表(2026年10月12日適用分)による、X の有料プラン別の主な条件です。

項目無料(旧 Premium Basic を含む)Plus(旧 Premium)Premium・Super・Ultra(旧 Premium+)
利回り(APY)4.00%、条件達成で6.00%4.00%、条件達成で6.00%6.00%
X Card のキャッシュバック1%、条件達成で3%3%3%
ATM運営会社の手数料の払い戻し1回4ドルまで・月2回まで無制限無制限
国内向け電信送金1回20ドル年2回無料、以降20ドル無料
メタルカードの発行25ドル無料無料

「条件達成」は、直近34日間に合計1,000ドル以上の適格入金(ACH で届く給与振込などの直接入金、または X のクリエイター報酬)を受け取ることです。年4.00%は利率3.92%、年6.00%は利率5.83%に当たり、どちらも変動制でいつでも変わり得ると金利表に書かれています。ニューヨーク州の居住者には利息が付かず、代わりに90日以内に3,000ドルの適格入金を受け取ると300ドルのボーナスが出る制度が案内されています。

公式FAQで確認できる主な機能

公式FAQによると、口座を開くとバーチャルの X Card(Visa のデビットカード)が自動で発行され、物理カード(メタルカード)も注文できます。Apple Pay・Google Pay などに登録でき、カード決済に海外事務手数料はかかりません(外貨は米ドルに換算され、為替レートは適用されます)。X の利用者同士の送金は手数料・上限なし、給与の直接入金は最大2日早く受け取れ、電信送金・小切手の郵送・請求書の支払いもアプリ内でできます。即時出金には1.75%(最低0.25ドル)の手数料がかかります。

X Money を運営する X Payments LLC は銀行ではありません。公式サイトによると、預金は Cross River Bank(FDIC 加盟行)などに置かれ、通常の上限は25万ドルです。預金は自動で「キャッシュ・スイープ・プログラム」に入り、複数の FDIC 加盟行に振り分けることで合計最大1,000万ドルまで預金保険の対象になるとされています。ただし公式サイトは「預金保険が適用されるには一定の条件を満たす必要がある」「預金保険が補償するのは加盟銀行の破綻だけ」とも明記しています。

日本で使えるか

日本からは使えません。公式FAQは「X Money は現在、米国居住者だけが利用できる」としており、日本を含む米国外での開始時期は発表されていません。「日本でも X Money で年6%」「代わりに口座を作る」といった勧誘は、現時点では日本在住者が口座を開けない以上、疑ってかかるのが安全です。

出典(当編集部が確認した一次情報・報道)

当編集部は日本から X Money を利用できないため、実際に口座を開いて試してはいません。本記事は上の公式情報と報道で確かめられたことだけをまとめています。