この記事の結論

米国でX Moneyの利用にXの有料プランが不要になりました。無料・Basic利用者は年4%、条件達成で6%に。3%還元の対象外業種も拡大し、日本は対象外のままです。

概要:X Moneyが有料プランなしで使えるように

X(旧Twitter)の決済・預金サービス「X Money」が、Xの有料サブスクリプション(X Premium)に加入していない米国の利用者にも開放されました。米国時間2026年9月23日(日本時間9月24日)ごろ、X Money公式サイトのよくある質問(FAQ)と金利表が書き換わり、利用条件から有料プランの加入が外れています。

9月4日時点の公式FAQ(Internet Archiveの保存版)では「Money is currently rolling out to U.S. residents with an X Premium or Premium+ subscription(X Moneyは現在、X PremiumまたはPremium+に加入している米国居住者に順次提供中)」と書かれていました。現在のFAQでは同じ質問への回答が「米国居住者に順次提供中」だけになり、プラン別の特典表が新たに設けられ、「サブスクリプションなし、またはPremium Basic」という列があります。

この変更は、米国の銀行・カード特典情報サイトDoctor of Creditが9月23日付で「X PremiumまたはPremium Plusはもう必要ない」と更新し、米国のSawyer Merritt氏もX上で「X Moneyが米国の対象となるすべてのXユーザーに正式公開された」と投稿しています。なお、X社自身の発表文そのものは当編集部では確認できておらず、本記事は公式FAQ・金利表の記載内容を基準にしています。

日本の利用者への影響:X Moneyは引き続き米国居住者専用です。口座開設には米国居住、認証済みの米国の電話番号、社会保障番号(SSN)などが必要で、日本在住者は無料・有料を問わず利用できません。日本での提供開始時期も発表されていません。

プラン別の特典:無料でも条件次第で年6%と3%還元

X Money公式FAQに掲載された、Xのプラン別の特典は次のとおりです(2026年9月27日時点)。

項目無料・Premium BasicPremiumPremium+
口座開設ボーナス(Welcome bonus)5ドル15ドル25ドル
年利回り(APY)4.00%、条件達成で6.00%4.00%、条件達成で6.00%6.00%
Xカードのキャッシュバック1%、条件達成で3%3%3%
ATM運営会社の手数料の払い戻し1回4ドルまで・月2回まで無制限無制限
国内向け電信送金(Outbound domestic wire)20ドル年2回無料、以降20ドル無料
メタルカードの発行25ドル無料無料
メタルカードの再発行35ドル1回無料、以降35ドル1回無料、以降35ドル

「条件達成」とは、直近34日間に合計1,000ドル以上の「適格入金(Qualifying Deposit)」を受け取ることです。適格入金は、ACH(米国の口座振替網)で届く給与振込などの直接入金(SEC コードがPPDのもの)か、Xのクリエイター報酬(Original Content Rewards、Creator Revenue Sharing、Creator Subscriptions)からの支払いと定義されています。

金利表によると、年4.00%は利率3.92%、年6.00%は利率5.83%に相当し、2026年7月27日から適用されている変動金利です。公式ページには「APYと利率は変動制で、いつでも変更される可能性がある」と明記されています。

変更前との違い:有料会員の条件は据え置き、無料利用者は特典に差

8月21日時点の金利表(Internet Archiveの保存版)は、列が「X Premium Tier」と「X Premium+ Tier」の2つだけでした。現在の金利表では前者が「No subscription, Basic, or Premium(サブスクなし・Basic・Premium)」に置き換わっています。Premium・Premium+の利回り条件そのものは変わっていません。

一方、9月4日時点のFAQでは特典として「3%の無制限キャッシュバック」「ATMでの無料引き出しと手数料の払い戻し」が一律に書かれていました。現在は、キャッシュバック3%とATM手数料の無制限払い戻しはPremium・Premium+向けとなり、有料プランなしの利用者は基本1%・払い戻しは月2回までと、特典に差が付けられています。つまり、無料利用者は「口座と送金機能は使える。高い還元と利回りを得るには給与振込などをX Moneyに向ける」という設計です。

ニューヨーク州の居住者は、今回の変更後も利息の対象外です。公式FAQは「ニューヨーク州の居住者はX Moneyの口座でAPYを得られない」とし、代わりに口座開設から90日以内に3,000ドルの適格入金を受け取ると300ドルのボーナスが出る制度を案内しています。共同名義口座(ジョイントアカウント)は、名義人の1人でもニューヨーク州居住者なら利息が付かないとされています。

有料プランの壁を外したことで、X Moneyは「Premium会員向けの特典」から「Xの一般利用者向けの金融口座」へと位置付けを広げたことになります。ただし、利用者数などの数字は公表されていません。

同じ週に3%還元の対象外業種も拡大

利用条件の緩和と同じ時期に、Xカード(X Card)のキャッシュバック対象から外れる加盟店業種(MCC:加盟店業種コード)が増えています。Doctor of Creditは9月22日付で「3%還元の除外リストが拡大した」と報じました。当編集部が公式のキャッシュバック規約(Cashback Rewards Terms)の現行版と、8月28日時点の保存版を突き合わせたところ、次の6項目が新たに追加されていました。

  • 4900 公共料金(Utilities)
  • 5300 会員制量販店(Wholesale Clubs)
  • 5944 宝飾品・時計店(Jewelry Stores, Watches, Clocks, and Silverware Stores)
  • 6300 保険料(Insurance Underwriting, Premiums)
  • 8220 大学(Colleges, Universities)
  • 業種コードが付いていない取引(No MCC)

電気・ガスなどの公共料金、保険料、学費は、定期的にまとまった金額を払う支出です。これらが対象外になったことで、「3%還元」を目当てにした使い方の幅は狭まりました。規約には、還元目的の架空取引や身内同士の取引(Manufactured Spending)を還元の対象外とし、支払済みの還元を回収できるとする条項もあります。

なお、変更がいつ公式規約に反映されたかの正確な日付は公表されていません。9月3日時点の保存版(Internet Archive)には無く、9月22日時点の保存版には載っている、という範囲で確認できる事実です。

日本の利用者にとっての意味

日本在住者がX Moneyを使えない状況は変わりません。公式FAQは海外との送金について「個人間送金はX Moneyの利用者同士でのみ可能で、X Moneyは現時点で米国居住者のみが利用できる」と回答しています。今回の変更は「米国内で有料会員以外にも広げた」ものであり、国外展開の発表ではありません。

それでも日本の利用者にとって押さえておきたい点は3つあります。1つ目は、XがX Moneyを有料会員だけの特典から、有料プランなしでも使えるサービスに変えたことです。将来日本で提供される場合も、有料プランへの加入が前提にならない可能性があります(あくまで米国での設計からの推測です)。2つ目は、高い利回りは「給与振込先をX Moneyにする」ことと引き換えだという点です。日本で似たサービスが出た場合も、表示利回りだけでなく適用条件を確認する必要があります。

3つ目は詐欺への注意です。「X Moneyで年6%」という話題が広がるほど、日本語で「X Moneyの口座を代わりに作る」「X Money経由で高利回り運用」と誘う勧誘が出てくるおそれがあります。現時点で日本在住者は口座を開けないため、日本向けにX Moneyの利用や入金を持ちかける話は疑ってかかるのが安全です。

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