この記事の結論
2026年9月下旬、X Money は有料プランに入っていない米国の利用者も対象になりました。ただし公式サイトは今も「米国の一部の利用者に順次提供中」で、全ユーザーへの一斉開放ではありません。
結論:有料プランは不要になったが、「全ユーザーに開放」ではない
2026-10-26 に事実関係を修正しました
この記事は公開時、「米国全ユーザーに開放」と題していましたが、公式サイト・公式FAQは「米国の一部の利用者に順次提供中」と案内しており、全ユーザーへの開放は確認できません。また出典を確かめられなかった逸話(マスク氏への25ドル送金、パスワード再設定メールの件、カードへのハンドル名の刻印など)を削除し、金利表の日付を最新(10月12日適用分)に直しました。 修正にあたり、X Money の公式サイト・公式FAQ・公式アカウントの投稿と大手報道を確認し、確かめられたことだけを残しました(出典は記事末尾)。
2026年9月下旬、X の有料プラン(Premium など)が X Money の利用の条件から外れたと報じられ(Doctor of Credit、9月23日の更新)、公式FAQにも「無料」の列がある料金表が載りました。一方で公式サイトは10月26日時点でも「米国の一部の利用者に順次提供中」、公式FAQは「使えるようになったらアカウントに通知する」としています。有料プランが要らなくなったことと、米国の全員がすぐ使えることは別です。
変更の詳しい経緯(公式FAQ・金利表の書き換え、3%還元の対象外業種の拡大)はX Money、有料プラン不要に 無料は年4%・条件達成で6%にまとめています。
プラン別の利回り・キャッシュバック(公式FAQ)
公式FAQと金利表(2026年10月12日適用分)による、X の有料プラン別の主な条件です。
| 項目 | 無料(旧 Premium Basic を含む) | Plus(旧 Premium) | Premium・Super・Ultra(旧 Premium+) |
|---|---|---|---|
| 利回り(APY) | 4.00%、条件達成で6.00% | 4.00%、条件達成で6.00% | 6.00% |
| X Card のキャッシュバック | 1%、条件達成で3% | 3% | 3% |
| ATM運営会社の手数料の払い戻し | 1回4ドルまで・月2回まで | 無制限 | 無制限 |
| 国内向け電信送金 | 1回20ドル | 年2回無料、以降20ドル | 無料 |
| メタルカードの発行 | 25ドル | 無料 | 無料 |
「条件達成」は、直近34日間に合計1,000ドル以上の適格入金(ACH で届く給与振込などの直接入金、または X のクリエイター報酬)を受け取ることです。年4.00%は利率3.92%、年6.00%は利率5.83%に当たり、どちらも変動制でいつでも変わり得ると金利表に書かれています。ニューヨーク州の居住者には利息が付かず、代わりに90日以内に3,000ドルの適格入金を受け取ると300ドルのボーナスが出る制度が案内されています。
提供状況と利用の条件
2026年10月26日に当編集部が確認した時点で、X Money 公式サイトは「Rolling out to select users in the United States(米国の一部の利用者に順次提供中)」、「18歳以上の米国の一部の利用者が利用できる。より多くの人へ広げるよう取り組んでいる」と案内しています。公式FAQも「米国居住者に順次提供中で、使えるようになったらアカウントに通知する」としています。つまり米国でも全員が一斉に使える状態ではなく、「全米開放」と言える公式発表は確認できません。
利用の条件(公式FAQ)は、18歳以上・米国居住・認証済みの米国の電話番号・良好な状態の X アカウント・口座開設書類への同意です。米国の金融規制に基づく本人確認のため、氏名・社会保障番号(SSN)・住所の提出も求められます。
X Card(Visa デビット)・送金・預金の保護
公式FAQによると、口座を開くとバーチャルの X Card(Visa のデビットカード)が自動で発行され、物理カード(メタルカード)も注文できます。Apple Pay・Google Pay などに登録でき、カード決済に海外事務手数料はかかりません(外貨は米ドルに換算され、為替レートは適用されます)。X の利用者同士の送金は手数料・上限なし、給与の直接入金は最大2日早く受け取れ、電信送金・小切手の郵送・請求書の支払いもアプリ内でできます。即時出金には1.75%(最低0.25ドル)の手数料がかかります。
X Money を運営する X Payments LLC は銀行ではありません。公式サイトによると、預金は Cross River Bank(FDIC 加盟行)などに置かれ、通常の上限は25万ドルです。預金は自動で「キャッシュ・スイープ・プログラム」に入り、複数の FDIC 加盟行に振り分けることで合計最大1,000万ドルまで預金保険の対象になるとされています。ただし公式サイトは「預金保険が適用されるには一定の条件を満たす必要がある」「預金保険が補償するのは加盟銀行の破綻だけ」とも明記しています。
2026年の経緯(時系列)
| 日付 | 出来事 | 出典 |
|---|---|---|
| 2026年3月10日 | マスク氏が X で「X Money early public access will launch next month(来月、早期一般公開を始める)」と投稿 | Decrypt |
| 2026年4月14日 | エリザベス・ウォーレン上院議員がマスク氏に書簡を送り、消費者・国家安全保障・金融システムへのリスクを指摘 | Decrypt |
| 2026年4月 | 予告された「早期一般公開」は、この時点では広く始まらなかった(6月の Bloomberg は「遅れの後に利用者を広げ始めた」と報道) | Bloomberg |
| 2026年6月25日 | X Money 責任者の Dhruv Batura 氏が「米国の Premium+ 利用者の一部に提供し、広い公開の前に意見を集めて問題をつぶす」と投稿 | Bloomberg / PYMNTS |
| 2026年7月27日 | @XMoney が「米国の Premium・Premium+ 加入者へ本日から順次提供(rolling out)」と投稿 | Digital Trends |
| 2026年8月31日(米国時間) | @XMoney が「米国アカウントの Premium・Premium+ 加入者全員が利用できるようになった」と投稿 | @XMoney |
| 2026年9月2日 | 米国のクリエイター報酬の支払いが Stripe から X Money 経由に(米国外は Stripe のまま) | TechCrunch |
| 2026年9月下旬 | X の有料プランが利用の条件から外れたと報じられ、公式FAQにも無料プランの利回りが載った | Doctor of Credit / 公式FAQ |
| 2026年10月26日(当編集部の確認) | 公式サイトは「米国の一部の利用者に順次提供中」、公式FAQは「米国居住者に順次提供中。使えるようになったら通知する」と案内 | 公式サイト / 公式FAQ |
クリエイター報酬の X Money 移行
TechCrunch(2026年9月2日)によると、X は米国のクリエイター報酬の支払いを X Money 経由に切り替えると発表しました。対象は「Original Content Rewards」とクリエイターのサブスクリプション収益で、X の広報担当者は米国外のクリエイターは引き続き Stripeだと説明しています。従来は2週間ごと・最低30ドルの支払いでしたが、X Money では送金された時点で使えるようになります。発表文からは X Money 以外の受け取り方法は示されておらず、TechCrunch は X に確認を求めたとしています。個人には 1099-NEC が発行され、LLC は W-9 の情報を出す形です。同じ記事は、9月7日に Creator Revenue Sharing が終わり Original Content Rewards に移ることも伝えています。
公式の金利表では、X のクリエイター報酬も「適格入金」に数えられます。直近34日間に1,000ドル以上の報酬を X Money で受け取れば、無料・Plus プランでも年6.00%の対象になります。
日本で使えるか
日本からは使えません。公式FAQは「X Money は現在、米国居住者だけが利用できる」としており、日本を含む米国外での開始時期は発表されていません。「日本でも X Money で年6%」「代わりに口座を作る」といった勧誘は、現時点では日本在住者が口座を開けない以上、疑ってかかるのが安全です。
出典(当編集部が確認した一次情報・報道)
- X Money 公式サイト(money.x.com、2026年10月26日閲覧)
- X Money FAQ(X Payments LLC、2026年10月26日閲覧)
- X Money Stored Value Account Rates(金利表・2026年10月12日適用分、2026年10月26日閲覧)
- Doctor of Credit「X Money Review」(2026年9月23日の更新で「X Premium不要」と追記)
- X Money 公式アカウント(@XMoney)の投稿(米国時間2026年8月31日)
- Digital Trends「X Money is finally here and it’s much more than a digital wallet」(2026年7月27日。同日の @XMoney の投稿を引用)
- TechCrunch「X shifts US creator payouts from Stripe to X Money」(2026年9月2日)
- Bloomberg「Musk Starts Expanding X Payments to More Users After Delay」(2026年6月25日、Bloomberg Law 掲載)
- Decrypt「Elon Musk’s X Money App Nears Public Launch, No Sign of Dogecoin」(2026年3月10日)
- X Payments Money Transmitter Licenses(送金業ライセンス一覧、2026年10月26日閲覧)
当編集部は日本から X Money を利用できないため、実際に口座を開いて試してはいません。本記事は上の公式情報と報道で確かめられたことだけをまとめています。